Tuesday, February 22, 2011

Symphonies


Symphonies
>> 楽しいだけがモーツアルトではない
昨年5月にプラハを訪れ、その地の演奏家達のすごい巧さに舌を巻いてきました。モーツアルトの交響曲については従来聴いてきたワルター、クーベリック、ベーム、バーンスタインなど、ゆったり系の演奏に飽き足らず、レヴァインのウイーンフィルをやたら走らせるだけの演奏も不愉快で、模索中のところ、はたとプラハを思い起こし、このCDを聴きました。まさに天啓でした。早めのテンポで厳しく進めつつも時には哀しみの表情を湛え、一貫して「悲愴感」に裏打ちされたモーツアルト、これこそ真のモーツアルトの姿。モーツアルト演奏の一角に高く聳え立つ演奏ではないでしょうか。
>> 安定した表現で、現代弦楽器の美観を押し出した名全集
モーツァルトの作品群の中で特に重要なジャンルの一つが「交響曲」であることは言うまでもない。一方、現在ではこれらの交響曲に41番までの番号が振られているが、その後の研究により、他者の作品とされ欠番となったもの、逆に改めて「交響曲」に再配分された作品などがあり(これらに42以降の番号を振ることがある)、明確にその数が決まっているわけではないが、おおよそ50曲とされている。このマッケラスの全集は、47曲を収録している。2番、3番、37番は収録から外されている。録音は1986年。



初期作品で大事なものとしては、第25番(K.183)ト短調と第29番(K.201)イ長調であり、前者は「シュトルム・ウント・ドランク」時代を代表する象徴的作品である。それら以外の作品もモーツァルトの生涯とリンクさせると、興味が深くなるだろう。第1番(K.16)や番号なしの(K.19)は最初期の9歳のころの作品で神童ぶりが伝わる。本全集で1枚目のディスクに収録されているのはすべて12歳までにモーツァルトが書いたものだ。(この時期モーツァルトはすでに戴冠ミサを作曲している)。イタリア旅行を経た刺激から、第10番(K.74)、第11番(K.84)といった作品が生まれる。その後イタリア旅行を重ね、新しい大司教の着任のための音楽などを書くのに前後して第14番〜第21番の交響曲群が続々と生み出されたのが、1772年で16歳のころ。内容の充実が言われるのは、1773年(17歳)のときの作品群からで、前述した第25番や第29番もここに含まれる。その後の充実と神がかり的な後期の作品群については、あらためて言及する必要がないだろう。



マッケラスの演奏は現代楽器ならではの弦楽器の豊かな響きを存分に歌わせている。両翼配置のヴァイオリンは強く響く傾向があるが、それはそれで面白い。かつての全集ではベーム指揮ベルリンフィルに近いスタイルだろう。テンポはやや速めなものが多い。管楽器の開放的な音色は、例えば第35番「ハフナー」などを聴いていただけるとよくわかるだろう。第38番「プラハ」などは単独でとっても聴き応え存分の名演で、均質な全集という以上の付加価値を持つ。他の特徴として、チェンバロを加えていることと、リピートを(おそらく)全部やっている点がある。後者については私個人的には特に緩徐楽章などは無い方が好きだが、問題というほどではない。早めのテンポであまり気にならない。



録音は少し軟焦点的で解像度は低めであるが、こちらも気になるレベルというわけでなく、十分平均的なものだと思う。曲集の充実、現代弦楽器の豊穣な響きを肯定的に水準高く保たれた全集として、素晴らしいものだと思う。
>> 超お買い得! 買って損のないすばらしい演奏です。
LP時代にドイツグラモフォン盤のベーム・ベルリンフィルの同全集が当時25,000円もしましたから、まづはその価格3,815円には驚きを感じます。

次いで、オワゾリール盤ホグウッド・エンシェントの全集をLPで購入、その後CD時代となり、同盤のCDを購入していますので、今回で都合4つ目の

モーツァルト交響曲全集が手元に揃ったことになります。現物が届いて早速聴いて見ましたが、録音も素晴らしいし、プラハ室内楽団のレベルの

高さには驚かされました。本当に素晴らしいオーケストラです。いままでホグウッド盤を聴くことが多かったのですが、たぶんこれからは今回の

テラーク盤の方を多く聴くようになりそうです。マッケラスさんについては今からもう30年以上も前にオケはロンドン響だったと思いますがモー

ツァルトの後期交響曲のLPが出ていたように記憶しております。モーツァルトものは必ずチェックはいれてはいたもののコレクションしていない

ところを見るとなんと見る目がなかったことかと残念に思ったくらいです。ホグウッドさんの古楽器にこだわった18世紀の響きの再現という試み

にも大いに感動しましたが、本全集もこれまでのスタンダード(19世紀から20世紀初めのスタイル)と比べるとかなり違って聴こえてきますがこれ

こそこの全集の醍醐味のひとつであると思います。まだ届いて間もないので10枚全てを聴いたわけではありませんが、中でも39番の爽快さ、36番

リンツの堂々とした中にある気品の高さの表現のすばらしさ、そして何と言っても優雅でチャーミングなその演奏には惚れ惚れさせられています。

お蔭様でここしばらくはモーツァルト三昧が続きそうです。これは絶対買って損はないですね。

No comments:

Post a Comment