マスカーニ:カヴァレリア・ルスティカーナ 全曲
>> ヴェリスモの古典的名演
カヴァレッロの「道化師」とカップルで売られることが多かったが、私は、「道化師」はカニオのアリア以外は駄作だと思う。一方、この作品は有名なトゥリドゥの終幕のアリア以外にも珠玉の名曲で綴られた名曲揃いの名編。前奏曲、間奏曲の美しさは言語を絶するが、出てくる歌という歌が、単に美しいというより、イタリアに行って戻ってきたあの「余韻」を髣髴とさせる土着の魅力が凄い。で、この盤のよさは、既に他のレヴューで語り尽くされた感があるが、やはりセラフィンの名指揮に尽きると思う。デル・モナコは名唱だが、パヴァロッティやコレッリやビョルリンクの名唱は、肩を並べるだろう。シミオナートの名唱も、ヴァラディ、ヴァルツアなど比肩するものはある。が、全体としての叙情性は、再現不可能な良き時代の何かがある。
>> 歌手、オケ、録音と三拍子揃った名演奏
往年のデッカサウンドによる記念碑的な録音の1つ。
この演奏の凄さは、まずその抜群なサウンドにある。
1960年のステレオ録音なのに、この透明感と迫力はほとんど
奇跡的としか言いようがない。人によっては、往年のデッカサウンド
のとりこになっている人も多いと聞くが、なるほど、純粋に音楽に
酔いしれることができた。
オーケストラの演奏も素晴らしい。
セラフィンはマリア・カラスと同じ曲を録音しているが、
その時と比べると、録音のためか、よりヴェリズモ・オペラらしい
精細で劇的な表現を聴き取ることができる。
名作オペラブックスでは、音楽的劇的な規範を作り出していると
絶賛されていたが、そのとおりだと思う。
シミオナートとデル・モナコも文句なしの歌唱だ。
デル・モナコというと、同じデッカの録音の「オテロ」で
強烈な輝かしい歌が有名だが、
その一方で、「アンドレア・シェニエ」では、輝かしい歌
だけでない、その作品に対する理解の深さを感じる。
ここでの演奏は、「アンドレア・シェニエ」同様、作品に沿った劇的で
澄み切った歌唱を展開している。シミオナートも同じ傾向にあり、
マリア・カラス同様、強烈な印象が残った。
個人的には、シミオナートとデル・モナコを聴くために購入しても
おかしくないと思う。
>> 豪華なカヴァレリア・ルスティカーナ
モナコと、シミオナートは当時のスーパースターで、この録音は二人ともに、全盛期での時で、歌唱力には驚きます。モナコとシミオナートの二重唱の場面などは、思い入れたっぷりに歌われ、歌唱力だけにとどまらず、演技力(CDですが…)も素晴らしい質が有ると思われます。コンダクターのセラフィンもテンポの揺らし方、伸ばし方は、さすがに貫禄があり、聴き手を飽きさせない、時には程よい緊張感をもたらす、演奏には巨匠といわざるを得ません。セラフィンと歌手陣のアンサンブルも素晴らしく、一体感のある歌劇が楽しめます。録音の方も、往年のデッカサウンドで、安定した音質で往年のスーパースター陣の演奏が楽しめます。
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