英雄ポロネーズ~ピアノ・リサイタル
>> シマノフスキが貴重
シマノフスキのOp.3は全体で12分程度とコンパクト.
大きな感動を呼ぶ作品ではないかもしれませんが
ブレハッチの安定したテク,細やかなセンスで
聴きやすい演奏に仕上がっています.
・・・多分.他のCDで聴いたことがないので比較は出来ませんが,
彼の演奏スタイルからして,本来の曲想から大幅に外れている
ことはないはずです.
リストは今一つ.特に小人の踊りは丁寧に音を拾っていきますが,
珠が転がっていくような流麗さとは縁遠い印象.
シューマンやドビュッシーも,微妙なニュアンスの
工夫が細部に見られる佳演ですが,悪く言えば自分の枠の
範疇に収めたというか,守りに入ったというか.
特にシューマンOp.22の第3,4楽章はスピード感に欠けます.
で,一番モンダイなのは,最後の英雄ポロネーズ.
演奏自体には文句はありません.しかし,聴けば聴くほど
このプログラムの流れからは完全に孤立していています.
ボーナストラックと割り切ればそれまでですが,
ブレハッチの美学とはかけ離れた(商業的な意味合いの強い)
選定にしか思えず,それをCDタイトルにしてしまうところも興ざめ.
最後は是非,幻想ポロネーズで締めて欲しかったです.
>> 心が洗われる清らかな音色
ブレハッチはたまたまNHKの番組で目にはいり、心にしみいる美しい和音にたちまち魅了されました。彼の名も知らなかったのですが、「ショパンが生まれ変わって弾いているのでは?」と思うほど。さっそく調べて、ショパンコンクールの優勝者であること知り、すべてのCDを購入しました。他にも巨匠と言われる人、技巧の優れたピアニストは多くいますが、ブレハッチの音は純粋で優しく、心に直接響いてきます。単に「若さゆえの純粋さ」以上のもの、大いなるものの加護を受けているような、スピリチュアルな透明さを感じます。このCDでは、とくに同じポーランドの作曲家シマノフスキの演奏が光っています。こんなピアニストに出会えて、幸せです。
>> 鍵盤の貴公子然として実はとんでもないやつだ
リストでは鍵盤を支配する名人的側面も見事だが、本領はベルガマスク組曲の前奏曲、月の光シューマンのソナタの第2楽章など。和声とか弱音のニュアンスで音楽は匂うような光彩を放つ。逆に英雄ポロネーズがつまらないのは、曲がたいしたことない証拠?
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