ブルックナー:交響曲第9番
>> 脱ロマン派的解釈
ブルックナーはロマン派的に解釈されているが、ワーグナーに捧げられた第二楽章を持つ交響曲7番(これは朝比奈版がいい)以外は、シューリヒトの脱ロマン派的解釈が正しい。
解釈と言ってももっと素朴なアプローチであり、古楽派がバッハの小宇宙を一番体現しているのに似ている。
ブルックナーの清廉な美しさ(アドルノはプラトン的眺望と言っている)を一番感じ取ることの出来る演奏だと思うし、楽曲的にも(未完とされるが)ブルックナーの最高傑作(特に第三楽章)だと思う。
追記:
誤解を生まないように追記すると、ブルックナーは現代的要求の元に長大な交響曲を書いている。ベートーベンが5分で表現するものを50分かけているが(「運命」が第八、「合唱」が本作第九に対応する)、それには必然性がある。例えば第八版第二楽章などはミニマルミュージックに接近している。ちなみにロックンロールなどはかつての長大なバラッドを3分で表現するが、それもまた同じく現代的要求にもとづいている。求められる器、形式が多様になっているだけだ。
>> 定番中の定番
シューリヒトのブルックナー交響曲9番は定番中の定番。半世紀近く経った今でもブルックナー交響曲9番においてこの録音を超える物はないでしょう。
>> クセがある演奏
1961年録音なのに、すごく音が良い。しかし、演奏は、クセがありすぎる。最終楽章のアゴーギクは不快感を感じさせるほど不自然である。
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