モーツァルト:ホルン協奏曲全集
>> 暖かく柔らかなホルンとしっとりした弦楽のコントラストが美しい… モーツァルトだねえ。
六十年ほど前の録音ってのが全く以って信じられない… アナログ録音特有の陰影豊かな深みの有る音で心地好いですね。モーツァルトは案外古い録音に良いのが多いね。EMIって何でもかんでもステレオ化ってイメージがあったけど最近の輸入盤はモノラルのままの好感が持てるリマスターだねえ、ジャズのブルーノート盤も輸入盤は音が良いですね。
カラヤンがまだ若いせいか、如何にも… って感じがなく良い指揮だと思います。ただバイオリンパートを弱音でレガート気味に引っ張らせる神経質な感じはカラヤンならでは(笑)いやぁこれ愛聴盤になりそうですね。
>> 三浦淳史が評した「メロウ」とい言葉がぴったりのホルンの音色。いいっすねぇ(酔)
高校時代、吹奏楽部でホルンを吹いていた私にとって、この演奏はバイブルみたいなものでした。何度も繰り返し聴いて、うっとりとしたものでした(遠い目)
伸びやかで、やわらかくて、円やかな音色。本来、音がひっくり返ったり外したりしやすい楽器なのに、そんなことを微塵も感じさせない絶妙のテクニック。古い録音なのに、そのハンディを軽々と飛び越えて胸に迫ってくる、これぞ名人芸と言うしかない技量。
モーツァルトの素敵にわくわくさせられる音楽の魔法と相俟って、何てきらきらとした輝きを放っていることか。若きカラヤンの颯爽として、清々しい涼風が吹き抜けるかのようなオケの好サポートもいいですねぇ。これはもう、エヴァーグリーン的魅力を持つ、不滅の一枚だな。
ホルンという楽器に惹かれたあなた、ホルンの音に「!!!」としびれたあなたに、何をおいてもまずこれを! と、おすすめしたい一枚。
>> ホルン奏者のバイブル的演奏
ホルンの奏法には、朝顔を若干開き気味に、明るく華やかな音色のイギリス奏法と、逆に朝顔を閉じ気味に、丸く重厚な音色のドイツ奏法があるが、デニス・ブレインの演奏は、典型的なイギリス奏法の模範と言える演奏だ。 しかしそれ以上にこの録音は、数十年にわたって、すべてのホルン奏者にとってバイブルとも言うべきものとなっている。
元来ホルンという楽器は、形状がコンパクトであるためにあまり目立たないが、実際にはマウスピース径に対し管長が非常に長く、管楽器の中で最も音程がとりづらい楽器と言われる (因みにウィーン・フィルでは、伝統的に旧式なF管シングル・ホルンのみで演奏するため、ホルンのミスは問題視しないという風潮さえあった)。 そのため通常ホルン奏者は、演奏前には唇のタッチが狂わないよう脂っぽい食事は控えるものだが、デニスの場合、平気で大皿のスパゲティを平らげた直後に、そのまま完璧な演奏をこなしたという。
デニス・ブレインという天才は、設立期のロンドン響で「神の四重奏」と呼ばれた英国屈指のホルン奏者A.E.ブレインを祖父にもち、父はやはり英国一と言われたBBC響の主席ホルン奏者オーブリー・ブレインというエリート家系に生まれながら、36歳という若さで自動車事故死したという悲劇性以上に、その超越した技術によって、現在でも世界最高のホルン奏者としての地位を揺るぎないものとしているのである。
ダムやタックウェルの演奏は非常に素晴らしいものだけれど、ある意味「スタンダード」としてデニス・ブレインの録音と聞き比べることにより、彼らの位置づけや方向性がより明確にわかってくるように思う。
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