モーツァルト:歌劇「フィガロの
>> 伯爵婦人の寛大さ
歌劇の中でも大衆テーマが異彩を放つフィガロの結婚。ストーリーだけ読むと、オペラ独特の内容への違和感と、平凡で退屈な作品に感じました。しかし音楽は素晴らしいとしか言いようがないです。特に四幕は、伯爵がスザンナに変身した婦人に気付かず愛を囁きますが、夫の何年も耳にしなかった愛の言葉に全てを許してしまうという場面です。普通なら激昂して離婚を切り出すだろうとか考えていた私に、本当の許しに満ちた音楽が素直にストーリーを受け入れさせました。伯爵が神の許しを得られたような、そんな圧倒的なエンディングでした。 素晴らしい演奏があってのことと思いますが、改めて作曲家の偉大さにに感嘆しました。なんの専門知識もない素人に感動を与えられる音楽こそ本当の傑作と言えますね。
>> メリハリの強いフィガロ
録音は1959年。
イタリア語による歌唱です。
オパラDVDは増えたものの、全曲盤CDが急速に少なくなっているのを、寂しく思っています。
本CDでは、1914年生まれの当時のジュリーニが、情熱的な演奏を聴かせてくれます。
もっとも、後のジュリーニの情熱は、内面的となり、かなり遅いテンポで演奏する様になりました。
しかし本CDの演奏は、テンポは速めで、メリハリが強くて、計算し尽くされた爽快感を伴っています。
ロマン派以降の曲ならいざ知らず、モーツァルトの、こんなに強いメリハリで演奏は珍しいと言える程です。
まず、序曲を聴いただけでも、はっとします。
丁寧でありながら、盛り上げるところは徹底的に盛り上げいます。
そして、スザンナ役のアンナ・モッフォが、ややあっさりとした歌唱をしますが、オケの方が全体を盛り上げます。
第1幕の圧巻は、フィガロ役のジュゼッペ・タッディの「もう飛べないだろう、恋の蝶々君」で、凄まじい迫力です。
こんな緊張感をもって、続いてゆきますが、その緊張感が途切れる事はありません。
録音の多い人気曲ですが、刺激的とも言える名演です。
私の愛蔵版の一つです。
>> 記録的な名盤
59年録音ですから、シュワルツコップも最盛期の頃です。歌手陣の豪華さはすばらしいの一言に尽きます。スザンナのアンナ・モッファ、マルチェリーナのドラ・ガッタ、フィガロのジュゼッペ・タッデイ、少女役のダイアナ・ギリングハム等きら星のように配役されています。
残念なのは歌詞対訳がついていないことですが、ストーリーを知っていれば十分でしょう。
対訳付のCDを既に持っている方には不用なものでしょうし・・・
この歴史的名盤が、低価格で発売されたことに嬉しく思います。
カルロ・ジュリーニ指揮のフィルハーモニア管弦楽団もすばらしいの一言に尽きます。
持っていて損の無い内容になっています。
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