Tuesday, May 24, 2011

幻のショパン・レコーディング1965


幻のショパン・レコーディング1965
>> 天才っているんだな  師匠グルダ
私が「ピットイン」で会って握手した20世紀最高のピアニスト(もう一人はグールド)フィりードリッヒ・グルダはアルゼンチン巡業中に母親に連れられた少女を「この子は天才ですから先生よろしくご教示願います」しつこく母親が懇願するので弟子にした。どうせど素人だろうとたかをくくっていたグルダだがこの痩せた少女は天才だった。「いやー驚いたぜ。世の中天才っているんだよな」このやせた少女がマルタ・アルゲリッチその人である。やはりグルダの弟子で後に大指揮者となるアバド(もとはピアニスト)はグルダのレッスンを「お前の好きなようにやれ」と回想している。「好きなようにやれ」は乱暴だが伝統などに囚われず思い通りガンガン弾け、ということか?アバドの指揮法は師匠と違うのはいうまでもない。天才少女・マルタはグルダの教えに従い時には感情のおもむくまま奔放な演奏で保守的な批評家や聴衆の度肝を抜いた。ショパンの斬新で繊細にして大胆、誰も弾いたことない演奏をするのがマルタ。これが天才だ。型にはめなかったグルダも偉い。
>> クラシックは詳しくありませんが、
 天才ピアノ弾きの、幻の、伝説の等と書かれると興味が湧いてしまうのは避けられませんが、大概は期待はずれになるのが世の常で、宣伝文句には惑わされないようにしなくてはいけません。

 でもこの方は凄いなというのが一聴して感覚的に判りました。クラシックもあまり聴かないし、ショパンの曲なんて1〜2曲しか題名を言えないような僕にしても、彼女のピアノには畏敬の念を覚えてしまった。良い買い物をしました。もう少し彼女のCDを数枚聴いてみます。

 1965年4月のEMI(Abbey Road Studio)第1スタジオでの録音ということは、この数ヵ月後に隣の第2スタジオでThe BeatlesのRubber Soulが作成されているのですね。時代の空気を感じさせて貰いました。凄い時代だったよなぁ。
>> ショパンの音楽と対話するかのように『無心』に弾く
1965年4月23・24・27日、ロンドン、アビー・ロード第一スタジオにて録音。1941年6月5日生まれのアルゲリッチは1955年にはヨーロッパに渡り、ウィーンでフリードリッヒ・グルダの師事を受けている。その後1961年にはモンカリエリでベネゲッティ・ミケランジェリにも師事。1957年、ブゾーニ国際コンクール入賞、同年ジュネーブ国際コンクールで第1位、そして1965年のショパン・コンクールで第1位とまさに才能の開花した時期と言えるだろう。



その後、グラモフォンでもショパンのピアノ・ソナタ第3番の録音はある。しかしながらここでの演奏はそれ以降のあらゆる演奏を超えた『無心』さを感じずにはいられない。ショパンの音楽と対話するかのように『無心』に弾くアルゲリッチには一切の『邪心』が無く、心の奥底を揺さぶる。特にここでの『マズルカ作品59No.1-3』・『ノクターン作品15 No.1』・『スケルツォ作品39』そして『英雄ポロネーズ作品53』は以前以後の誰一人として超えられないレベルに到達して高貴極まりない。



ディヌ・リパッティの『ワルツ』、マウリツィオ・ポリーニの『エチュード』、そしてここでの『マズルカ作品59No.1-3』・『ノクターン作品15 No.1』・『スケルツォ作品39』そして『英雄ポロネーズ作品53』こそ極上の聴くべきショパンだ。

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