ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」
>> むしろ滋味菊すべきー
“ずしりと腹に響く、重量級のエロイカ”と、帯には書いてありますが、私にはやや女性的な響きを特徴とするウィーン・フィルによって、むしろきめ細かく雄大な仕上がりになった演奏だと思えます。 きめ細かいーということについてなんですが、エロイカという曲は(独断なのですが)、私の様な素人クラシック・ファンにとっては一つの試金石的な作品だと思います。 有名な第一楽章を下手な演奏で聴いていると、だいたい6分過ぎあたりから退屈になってしまうのです。 その点、この演奏はかなりのスロー・テンポにもかかわらず最後の最後までじっくりと味わい深く堪能できました。 11分50秒目あたりからやって来る弦の調べには“来るぞ、来るぞ”と心をワクワクさせるものがあります。 壮麗―という言葉がまさにぴったりの第二楽章もいいです。 フルトウェングラー信奉者でもなんでもない私が聴いても、これは見事な演奏だと素直に思えます。 確かに古い録音ですが、音質はかなり良く、持っていて損のない一枚だと思います。
>> 音の哲学演舞
邪道な装飾を排し、音を端正に構築奏でていくフルトヴェングラー。
音を演出し、壮麗なまでの響きに高めていくブルーノ・ワルター。
20世紀両巨頭は対照的なアプローチでわれわれに迫ってくる。
どちらを支持するかは、もはや聞く者の好みの問題。
フルトヴェングラーによるベートーヴェン交響曲第三番・第二楽章の深みと哲学性は、巨匠の名にふさわしい本物の音を聞かせてくれた。
それはもはやフルトヴェングラー、ウィーンフィルという存在から遊離し、音そのものが演じる有機体のようで、超次元の舞台であるかのよう。
名盤といわれる由を万人に解らせる。
>> やはり、名盤といえる指揮・演奏です
フルトヴェングラーによるベートーヴェンの交響曲第3番です。フルトヴェングラーの数ある英雄の中でも、44年のライブと共に、最も有名といわれるアルバムでもあります。
CDのオビに「重量感」だの「ずしりと腹に響く」だの、おどろおどろしい言葉が並んでいるのですが、この曲の持つスケールの大きさ、豪快さには、フルトヴェングラーの前に前に進む指揮は、まさにうってつけだと思います。
ただ、彼の指揮以上に素晴らしく思ったのは、ウィーンフィルの弦楽器の音色。弦楽器の高音が、ピシッシと合った時など、この曲のスケールの大きさ、豪快さに加え、気高さをも表している気がします。
52年録音ですが、さして、音も気にならない程度になっており、英雄ファンには、是非、一聴をお奨めの1枚です。
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