Monday, March 7, 2011

バッハ・ピアノ・リサイタル


バッハ・ピアノ・リサイタル
>> ブーニンらしいが・・・
ブーニンの弾くバッハが聞いてみたくて購入。ブーニンらしく正確で音のハッキリした演奏で、速いテンポの曲などは爽快ではある。ただし、個人的に好きな「主よ、人の望みの喜びよ」については、ブーニンの正確な演奏が裏目に出て、あまり好きな演奏ではない(本バージョンの編曲者:マイラ・ヘスの自演奏アルバムが最高で感動します!)。バッハの教会曲(コラール)にブーニンの演奏は正直合わないと感じました。
>> このバッハは違う。
正直言って、バッハの音楽に

あまり親しみを感じることができません。



グールド、アルゲリッチ、ヨーヨーマ、クレメール、

パールマン、ペライヤなど、何枚か持っていますが

ほとんどCDプレイヤーに乗りません。



でもこのアルバムは例外です。



何度も聴きます。



彼が弾くバッハは、とてもいいのです。



バッハというとすぐに

偉大で、重厚で、敬虔なプロテスタントのクリスチャンで

神をたたえる音楽で・・というようなことになるのですが、

そんなものはあんまり聴きたくないんです。



でも彼が弾くバッハは、違います。



純粋音楽として輝いているというか、

バッハの音楽に付く余計な形容詞を取り払って

ただ音楽が、ピアノの粒が、ひかっている。



それはヒラリー・ハーンのシャコンヌ(「デビュー」CD)に

通じる貴重な魅力です。



このCDには、なぜブーニンがバッハを弾き始めたのか、

彼にとってバッハとはどういう存在なのかを語る

ライナーノートがついています。
>> ブーニンもバッハを愛してる
弾く鍵盤が少ないシンプルなケンプの編曲で、コラールプレリュードが静かに流れ、音の一つずつが、耳元で誰かが何かをささやいている、そんな感じではじまります。


えっ何て言ったの、黙ってじっと聴くから、もっと話しかけて!と、ひきこまれる頃には、長調の曲にさしかかってます。


短調の曲を日常の疲れに同調させてから、長調の曲で引っ張りあげてくれる。

人によっては《余りにも荘厳で重苦しい》とされる、バッハの曲を、ブーニンが弾くと、とても優しくて甘いささやきに変わります。

でも収録されている曲のどれも、愛だの恋だのをテーマにしてません。
もしかして、弾いてるブーニンのバッハに対する想いが伝わってきてるのかも。

最後の曲《主よ、人の望みよ〜》の頃には、身も心もすっきりして、心地いいのを通り越して【けだるい満足感】で一杯になります。


うっとりしながら最後の曲を聴き、ふと、
《あれ、ピアノのはずなのに?》と感じます。

ブーニンの魔法。

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