ベートーヴェン:ピアノソナタ第17番&第21番&第26番
>> 静謐なる世界に響く凛としたフォルテシモがジャケそのものですね。
「悲愴」のも良かっけど、これも良いジャケですね… ギレリスの作品はやっぱりグラモフォンにしては異質なんですね。 「悲愴」では余り感じなかったけど… ピアノの音が異常なくらい透明感が有り独特、ってかスタンウェイじゃないような… グラモフォンでシリーズ化されてる「スタンウェイ・レジェンド」にもギレリス入ってないし… ベーゼンドルファーみたいな音、早速ワタシのベーゼンのリファレンス盤の「エディ・ヒギンス・ソロピアノ」と比較すると… やっぱりベーゼンっぽい様な気がする。それにしても惚れ惚れするよな官能的なトーンですね、特に「テンペスト」の録音は素晴らしい!フォルテシモは一音たりとも曖昧さが無くバキッと明瞭で 、ピアニッシモのまるで掃き浄められたばかりの石庭の様な気高い静寂さ、最高レベルに設えられた音場の中で、ギレリスは一点の曇りも無い研き込まれたトーンを、一瞬の迷いすら感じさせない驚異的なタッチで楽曲へと構築していく、いくらクラシック素人なワタシでも完璧な演奏であると解る明快なる説得力が有ります。 ワタシ的には「テンペスト」の第二楽章アダージョのピアニッシモの表現に惹かれます、ここだけ真夜中にこっそり酒飲みながら聴きたいくらいに心地好い音ですね。「ワルトシュタイン」の第三楽章の強烈な打鍵で畳み掛け、明快に高みへと楽想を直線的に導く力強さは凄い… 最後のバキッバーンっ!みたいなとこ… 快感ですね、胸のツカエが一気に下りるってこれだな。 ただ「告別」は残念ながら録音も完璧とは言えないし、ギレリスの演奏も前二曲に較べると明快なる説得力に欠ける気がする、余りにも前曲の第三楽章が完璧であったから、そう感じるのかも知れないけど… ちょっと残念な気がしました。(とほほの助)
>> 模範的な演奏
テンペストは、比較的ゆっくりとした演奏で、とても正しく演奏されていた印象を受けた。ワルトシュタインは、長年アラウの演奏に聴きなれていたのだが、比較すると、これまた、正しく丁寧な演奏と印象だ。アラウの方が少し荒々しい演奏だ。個人的には、アラウの演奏の方が好きだが、このピアニストの演奏は、練習するのには、模範的な、お手本となるのではないだろうか。
>> お勧め
ギレリスは、鉄拳でピアノを弾くという間違ったイメージを持っていた。バックハウス、アラウ、ケンプ、ポリーニ、ブーニン、ホロヴィッツを聞き比べて、ギレリスの透明度の高い決勝のような演奏のとりこになった。強く打鍵する時はもちろんあるが、それも非常に透明度の高いもので、心が洗われる演奏が聴ける。バックハウスの全集がムラがある、ベーゼンドルファーでの演奏などスタインウェイのギレリスと一概には比べられないが、バックハウスの方が上だとは感じるが、ギレリスのあの音作りは、全く別物と考えて、両方持つと良い。協奏曲では、指揮者のセルとギレリスの競演がおもしろいのではないだろうか。ばら売りよりは、ギレリスの残したピアノソナタ集でまとめて買う方がよい。1枚聞くとまた次が聞きたくなるから。
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