Saturday, March 5, 2011

バッハ:無伴奏チェロ組曲(全曲)~インスパイアド・バイ・バッハ~


バッハ:無伴奏チェロ組曲(全曲)~インスパイアド・バイ・バッハ~
>> 名器ストラディバリの最後のモダンセッティング、美しい低音に酔い痴れる…
低音が凄い、普通のセッティングじゃないのかな、ピッチを下げてる感じ… ってかバッハの時代は低かったから、より誠実な演奏と言えるよね。それにしても良い音です… マさんが上手いのは勿論だけど録音も自然で素晴らしい!

まあー確かに全曲聴き通すと、結構クラシック通の方々から批判される部分は解ったんですが… ちょっと待て、これは確かにチェロの旧約聖書と呼ばれるほどの作品ですが、制作の意図が映像とのコラボレーション、言ってみればサウンドトラックな訳で多少は逸脱した表現が有っても良いんじゃないか?と思うんだね。そうでなくても、これは紛れも無く彼のモダンチェロの究極の美音の記録でしょ、聞かなきゃ勿体ない… ピリオドなセッティングになってしまった現在では絶対に聴けないからね。

ただ… この作品におけるマさんの演奏を聴いて… 何でもない普通の演奏だと思ってたヤープ・テル・リンデンのブリリアント盤が滋味豊かな素晴らしい演奏であった事に改めて気付かされました。
>> 健康的な無伴奏
この人のチェロ、いや、音楽が好きだ。いつでも、機嫌がよく、朗らかで、そして何よりも難しくない。

バッハの無伴奏でもやはりその美点が存分に発揮させられている。旧録よりもチェロの音色は太く、分厚く響くが、それでもなお健康的に朗らかで、屈託がない。こんなことを書くと演奏しているヨー・ヨー・マに叱られるかもしれないが、眉間にしわを寄せて、真っ暗闇のなかで演奏されるような大仰なバッハでは決してないのがいい。陰をまるで感じさせられないのだ。しかし、そこがいい。そういう類の演奏はほかの大家に任せておいて、ヨー・ヨー・マの卓越した技術と、伸びやかで圧迫感のないバッハを楽しみたい。

録音もすばらしいし、何よりもきっとここで聞けるチェロの音は多くの人が思い浮かべるチェロの音にもっとも近いのではないだろうか。

数ある無伴奏の録音のなかで初めて買うのであればヨー・ヨー・マのこの録音は一押しだと思う(ここで聞いて気に入れば、カザルスなりフルニエといった過去の大家の演奏を手に入れてみればいいし、もしくはビルスマや鈴木秀美氏のすばらしい録音に耳を傾けてもいい)。

気になる点がひとつあるとしたら、調弦が低めになっているところ。音感が抜群にいいはずのマなので、これは意図的にやっていると思われる。もっともそのおかげで、先に書いたようにイメージのなかのチェロに近い響き方をして聴こえるのでもあるが。

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