Friday, December 24, 2010

ショパン:ノクターン全集(通常盤)


ショパン:ノクターン全集(通常盤)
>> 素晴らしい演奏だがファン一般に受け入れられるか?
思い切ったことをやったものだ。ショパンのノクターンは、有名曲は別としても、マズルカと並んでディープな世界であり、「全集」を通して聴くのはいささか辛いものがある。生誕200年だから、ユンディ・リだから猫も杓子もショパンを買うと思っているのだろうか。もっとも、ショパンをちゃんと理解もせずに演奏された全集盤が「名盤」扱いされてきた現状に対する挑戦という意味でなら分からぬでもないが。



ユンディ・リはショパンを安心して聴ける数少ない現役の一人だ。若いし本当にショパンの深みを知り尽くすのはまだ先のことだろうが、才能は経験を凌駕する。どんなに完璧な技巧だろうがショパンのデリカシーを理解していない演奏は聴く気にならない。若干舌足らずな部分もあるがしかし本質を外していない安心感が彼のディスクを手に取らせるのだ。



本盤も実にナチュラルでオーソドックスなショパンなのだが、不思議なことに、変な癖も作為も感じられないのにどこを切ってもユンディ・リの佇まいが存在している。作曲家を尊重するような顔で自己を主張することしか出来ない凡才と比べると、類稀なる才能と個性を感じる。まことに懐の深いピアニストだ。この音がどこまで深みを湛えた音に変貌していくのか、楽しみであり心配でもある。
>> ユンディ・リの「夜想曲らしい夜想曲」
2010年はショパンの生誕200年ということで、いろいろと興味深いアルバムがリリースされている。このユンディ・リの夜想曲もその一つ。



ユンディ・リは1982年重慶生まれ。2000年のショパン国際コンクールにおいて18才の若さで優勝し、今や中国の音楽界全体の躍進を象徴するアーティストになっている。私も、プロコフィエフとラヴェルの協奏曲などで、スケールの大きい音楽性に心打たれた。



それで、夜想曲を弾くとどんな感じなのだろう、と思って聴いてみた。良かった。何が良いのかというと、夜想曲が夜想曲らしく響いて、しっとりくるのである。・・これでは何を言っているのかわからないかもしれないですね・・・。特にショパンの夜想曲は、左手のそれほど大きく変化することのない伴奏に合わせて、右手がたいへん叙情的な旋律を歌わせる点に特徴がある。また、左手の伴奏は(もちろん例外の箇所もあるけれど)基本的には一定のリズムで同じ数の音符が割り当てられていて、非常に規則的な印象を聴き手に与える。他方、右手は、いかようにも歌えるたっぷりしたカンタービレを内包しており、そのどちらに進行を委ねるのかにまず興味が行く。ざっくりと言ってしまえば右手中心の典型がピリスで、左手中心の典型がポリーニ(ちょっとざっくり過ぎるかもしれませんが)。



ユンディ・リは「左手タイプ」である。これが私の好みと一致するところ。つまり、左手の規則的なリズムの中でまず曲自体の「揺れ幅」を拘束しておいて、その礎の中で右手が歌うのである。この演奏場合、メリットとして禁欲的で高貴な音楽が導かれ易いことがあり、一方で欠点としては全曲の印象が画一化し易いことにある。ユンディ・リはうまい。メリットを生かした上で、柔らかい音色を武器に、右手ですくえるだけの歌をすくって聴かせてくれる。そのため「歌があるのに、静かな」夜想曲らしい夜想曲になっていると私は思う。



特に印象に残った曲としては第16番、これはちょっとした音色を和えて、マジカルで魅惑的な音楽になっていて素晴らしい心地よさだ。それと第15番、これも旋律の歌わせ方がことごとくフィットしていて見事の一言。もう一曲挙げさせていただくと第13番。これは異色作的な夜想曲だけど、ピアニストの技巧と歌心がよく調和していて、あらゆる観点からみてオーソドックスで強度のある演奏だと思う。もちろん、この演奏の美点は、全曲を貫くもので、それ以外の曲も美しい佇まいを示してくれる。
>> 演奏はいいけど、選曲がいまいち、、、
CD製作会社の方針か?なぜ店頭で視聴させてくれないのか

と思ったら、実際に購入してみて分かったこと。

どんなに名手が演奏しても、曲そのものの凡庸さはカバー

しきれないってこと。

本当に、有名になる曲といつまでもマイナーな曲のまま

っていうのには、それなりの理由があるってことが

よくわかりました。



ショパンのノクターン、有名なのは第一番、第二番と

遺作になった第二十番くらいであとは十把ひとからげ

じゃないけど、よほどのマニアックなショパン好きか

研究者ででもなければ、聴き込まないような渋い作品

ばかり、ちょっと聴きには大同小異でみんなおんなじ

調子で、途中で眠くなってしまった。

そこを、がまんして何時間も聴き込んでいくと

だんだんとそれぞれの曲の良い点もすこしずつ

見えてくるんだけど、、、とにかくちょっと

忍耐力のいるCDです。

なお、通常盤での評価なのでDVDで観るとちょっと

印象に残る部分が多いのかも?

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