モーツァルト:魔笛 全曲
>> 男性主役が素晴らしい
実力派フィッシャーの歌声は素晴らしいが、素晴らしすぎてパパゲーノのひょうきんさに合わないというのは贅沢か。ヴンダーリヒのタミーノが聞いていて気持ちがいい。テノールの響きの魅力が満開。ザラストロのバスの安定した深い響きもよい。男性主役陣に比べて女性主役陣は悪くはないが男性陣の出来栄えに霞む感じ。
>> これがベスト
夜の女王のアリアが最高です。聴いていると不思議です。
今私は何を聴いているのか、人の声か音楽か、機械音か空気の振動そのものか、それとも幻聴か、自分がわからなくなるほどのシンクロを感じます。
パパパの良さも他のものに比べて完璧といえる出来。
特筆すべきパパゲーノの歌う心地よさ。
この2つについては、他に超えるものはないと思いました。
あとはこの盤ではモノスタトスのアリアもいいですね、
個人的にかなりお気に入りです。
星5つで文句なしです。
もう20年近く親しんでいます。
>> お手本のような演出
『標準』『原型』『基本型』『正当派』『オリジナル』など、いくつもの言葉が当てはまりそうな『お手本』のような魔笛。
クレンペラーが悠美だとか、サヴァリッシュの構成が見事だとか、ムーティーのテンポが速すぎると感じるのは、
全てこの作品が基準になっているような気がする。この作品を最初に聴いた訳でもないのに。
決して『味がない』とか『特徴がない』、『平凡』などという意味ではなく、傑作の鑑と呼べる作品。
台詞回しがかなりスムーズなため、舞台の上を演者が移動する『間(ま)』とか足音とかが聞こえないことから、
元々録音のための演奏・演技なのかも知れません。それ自体何の問題もありません。
(先入観や他人の意見による印象変化を避けるために、解説書の類は読んでませんので推測で申し訳ありません。)
好むと好まざるにかかわらず、『魔笛』を楽しむなら必聴の作品に間違いないと思います。
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