Monday, November 15, 2010

Collection 3: Chamber Ensembles


Collection 3: Chamber Ensembles
>> 密度を増す恒星の行く末は。
マルタ・アルゲリッチのDG音源を完全網羅する? ボックスシリーズ第三弾は、大方の予想通りの室内楽集。クラムシェルボックスに初回リリース時のジャケットを再現した紙製内ジャケ、たいへん丁寧な編集のブックレットなど、シリーズ共通の仕様。なお全6枚の収録内容については、DG公式サイト http://www.deutschegrammophon.com/cat/single?PRODUCT_NR=4778847 (全曲試聴つき)を参照されたい。



Vol.1が8枚組、Vok.2が7枚組、そしてVol.3は6枚組と、徐々に数が減っていくようだが、逆に録音年は現在に近づいている。ここでは1980年代以降、アルゲリッチが演奏活動の軸足を置いた二台ピアノ、三重奏そして四重奏を聴くことができる。参加ミュージシャンはエコノモウ、フレイレ、クレーメル、マイスキー、バシュメットそしてプレトニョフ。

彼らとの演奏は、すべて対等な立場での共演で、ゆえにこのボックスは(EMIのように)「アルゲリッチ&フレンズ」の名義とすべきかもしれない。もちろん、共演者に異議を唱える人は誰一人いないはずだが。



収録曲については、ここまでのシリーズ中もっとも地味である。これは一般的に知名度の高い曲が含まれないためであり、また二台ピアノなどの演奏形態も、ポピュラリティに欠けるかもしれない。アルゲリッチ作品の、ソナタやコンチェルトのみに接してきたきた方は、戸惑うことも多いはずだ。

だがここに収めれた演奏は、密度と緊張感という意味では、過去の二つの箱に勝るとも劣らない。というより、むしろ凌駕しているようにも思える。それは6枚中3枚を占めるピアノデュオで、より顕著に感じられる。そこでのアルゲリッチの演奏は、まるで終焉に近づくにつれ、じわじわと密度を増していく巨大な恒星のようだ。では、その先にやってくるものは何なのだろう?



なおアルゲリッチのDG録音には、ここまでのボックスに収められなかった音源がまだ多く存在する。ピアノ以外のデュオ作がそれで、そうした音源も来年にはボックス化されることだろう。全集完成も間近のようだが、それ以上に新作を期待して待ちたい。

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