Saturday, November 6, 2010

バッハ:ゴールドベルク変奏曲(1981年録音)


バッハ:ゴールドベルク変奏曲(1981年録音)
>> 初めての「ゴルドベルグ〜」としては薦めない
バッハの鍵盤楽曲については、現代でも「チェンバロかピアノか」意見がある中で、昔グールドが言ったとされる「チェンバロで弾くのは間違っている」に全く同調できないため個人的には公平に聞くことが出来ない。チェンバロ奏者は「当時本人が聞いていた音色はこれだ」といい、ピアノ奏者は「表現力を進化させたピアノで弾くのは当然」という。どちらも間違ってはいないはずだからだ。

つまり「チェンバロから進化したピアノが新しく優れている」といったような優劣論は、各々音色が違う「別の楽器どうし」で通用しない。

アコースティックギターの音色が小さいからと言ってエレキギターが優れているという人はいない。出せる音が多いほうが優れているならベーゼンドルファーを使えばよい。イングウェイが言うようにバッハだって「当時には無かったもっとロジカルな音を思い描いていたかもしれない」のだ。

チェンバロ含め、グールド以外にもたくさんの録音を聞いているベテランならまだしも、初めてのバッハ・初めてのゴルドベルクという人(学習者は特に)にとって唯一の一枚になるのは薦めません。

演奏者の解釈が楽譜を凌駕するような演奏は「ただ単に好きだから聴く」以外ないですから。
>> 永遠の名演
このゴールドベルグを弾くために彼は生まれてきた。そして果てた。初演時の傲慢さはなく、まさに神がかり的!歴史的!永遠に残る名演である。
>> 何度聴いても飽きない
55年モノラル盤と比較して聴いてみました。勢い、斬新さを求めるなら55年盤の方が上だと思うのですが、個人的に言えば、一曲一曲の解釈の完成度は、この盤の方が高いと思います。この盤は、曲によって演奏の速さに大きく違いがありますが、一辺倒に速く弾かれるより、個々の曲の持ち味がより多彩に出ているように思われます。あとは、何度聴いても聴き飽きない。一曲一曲が作りこまれていて、全部を耳を澄ませて聴いてみると、例えが悪いかもしれませんが、上質かつ壮大な物語を読んだような満足感を得られます。聴き込めば、聴き込むほどにです。また、録音状態が良いため、1音1音がとてもクリアーに聴こえます。



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