Gustav Mahler: Complete Edition
>> EMIと両方聴き比べてみました…最初に買うならば、こっちが良いかも…録音も良いし。
交響曲一番…ジュリーニよりクーベリクでしょう!文句無しの名演。
交響曲二番…若いメータの熱意を感じる、ルードビヒの歌唱も素晴らしい名演。クレンペラー盤より良い。
交響曲三番…ハイティンク指揮、真面目な駄作(笑)でもラトル盤ほど酷くない。
交響曲四番…ブーレーズの駄作。EMIのホレンシュタイン盤は良い出来です。
交響曲五番…バーンスタインの代表作だがテンシュテット盤も名演。どちらも凄まじい気魄、燃焼度の高いライブ。
交響曲六番…アバドの迷いの無い棒捌きが見事だが、バルビローリ盤も品格の高い滋味溢れる名演。
交響曲七番…このシノーポリ盤は賛否両論だが明快な解釈で、この曲を初めて聴く人には最適な演奏、当然ながらラトル盤より良い。
交響曲八番…ショルティ屈指の名演!ソリストはスター揃い、全盛期のウィーン少年合唱団、シカゴ響の咆哮、指揮も素晴らしく終楽章は涙が出そうな美しさ…奇跡のコラボレーション。テンシュテット盤はソリスト、合唱が悪く録音も良くない。
交響曲九番…カラヤン畢生の名演、バルビローリ盤も良いが…カラヤン盤は人間がライブ演奏する音楽の限界を凌駕している。
交響曲十番、カンタータ「歎きの歌」…シャイーの十番は悪くないが「歎きの歌」は素人歌合戦なみ…音源化された事が不思議なくらいの駄作。ラトルの十番は曲が完全に手の内に入っているし、「歎きの歌」はソリスト、合唱、オケのバランスが素晴らしく完成度が高い。
大地の歌…ジュリーニ盤、クレンペラー盤ともに世評は高い。
歌曲は録音は古いが、総じてEMI盤が良いと思う。
>> 迷ったら両方買うのが正解・・・だろうか?
生誕150年という節目の年に照準を合わせ、メジャー各社の大盤振る舞いが続くマーラー音源。なかでも注目はこのDGと、ほぼ同時に出たEMIの指揮者/オケ混成ボックスセット対決だろう。どちらも魅力的な内容なので、購入を迷う方も多いかもしれない。ここで両者を簡単に比較してみよう。
仕様はどちらもクラムシェルボックスに紙製内ジャケ。ブックレットは写真を多数掲載するDGがやや豪華。ただしEMIは歌詞をディスク内に収容してポイントを稼ぐ。DGは歌詞を割愛しているが、必要ならネットで探せる。
組枚数はDGが2枚多く内容充実と思えるが、収録時間は逆にEMIが30分ほど長い。これはEMIが「泣き別れした交響曲」の余白に歌曲を詰め込んだため。それを避けたDGは空き地が目立つが鑑賞には有利か。
その「泣き別れ」はDGが3番、7番、9番。EMIでは3番、6番、8番がそれぞれ二枚のディスクにまたがっている。ノンストップでの鑑賞にはハードディスクの活用をお勧めしたい。
指揮演奏陣は国際色豊かなDGに対し、EMIは英国色が濃いのが特徴。ただしDGの実体はデッカ、フィリップス、テルデックを含むユニバーサル音源の混成で、いわば別の泉から汲み出したもの。それぞれの香りが微妙に異なるのは致し方ない。ちなみに音質は手元にある既発CD(全体のほぼ三分の二にあたる)と比べて、多くの曲で改善を確認できる。特にEMIはその感が強い。
その音源の選定については、双方ともに第一級の演奏を揃えており、単純に優劣はつけ難い。ただしセレクションの意図には差があるようで、私見では「これからマーラーを聴く人」を意識したDG、「既にひと通り聴いた人」を意識したEMI、という印象を受ける。その性格の違いが端的に現れたのが、バーンスタイン/カラヤン(DG)とクレンペラー/テンシュテット(EMI)による演奏だろうか。
おなじ楽曲での解釈と表現の差は、もちろん聴き手によって好悪が分かれるところ。この二つの箱の中身にしても、千人が選べば千通りの組み合わせが出来るはず。それはどんな音楽でもおなじなのだが、マーラーの楽曲には他の作曲家にない独特の精神性があり、それが指揮者や演奏家、そして聴き手の心をつかむのだろう。
マーラーは来年に没後100年。わずか一世紀の間に、これほど深く多様な表現を生み出した音楽は他にないのではないか。この二つの箱を前にして、そのことを改めて実感した。
果たして生誕200年にはどんなことになっているのか。
>> グラモフォンかEMIか・・・ふたつのコンプリート・エディション
2011年のマーラー生誕150周年、そして没後100年を記念した限定ボックス・セットで、現存する彼の真作を網羅した18枚のCDで構成されている。こうした全集物では、その会社と契約しているアーティストしか登場しないために、いきおい演奏者が偏向的になりがちだが、このセットで特徴的なのは総ての交響曲に異なった指揮者とオーケストラを配分して、各曲の代表的な演奏が鑑賞できるという趣向だ。また今回もグラモフォンだけでなく、傘下のフィリップスやデッカの音源も採用されている。勿論録音時期も方式も若干違うので、その点では統一性を欠いているのも事実だが、マーラーのようにそれぞれの曲に多彩な個性を与えた作曲家の作品には、むしろこうした八方美人的な企画が功を奏している。これからマーラーを聴き始める人にとってはコスト・パフォーマンスが高いことも手伝って格好のサンプルになるだろうし、一部には既に生産中止になっているCDも含まれているので、一家言あるマーラー・ファンにも充分支持されるべき内容だろう。
ちなみにEMIからリリースされている16枚組のコンプリート・ワークスと比べてみると、演奏者の違いは言うに及ばないが、演奏水準の高さにおいては当セットに勝るとも劣らない内容を持っている。ただEMIのほうはどちらかというと歴史的名録音が多く、そのせいで音源も40年代から70年代のものが中核をなしている。一方こちらでは一番古いもので66年のハイティンク、コンセルトヘボウによる第3番で、EMIには欠けているピエール・ブーレーズとシカゴ交響楽団による交響曲第2番の初稿に当たる交響詩『葬礼』、及びウェーバーのオペラ『3人のピント』からマーラーが補完した間奏曲をプレトニョフ指揮のロシア・ナショナル管弦楽団の演奏で聴くことができる。
EMIでは歌詞対訳が総てCDに収録されているのに対し、グラモフォンのブックレットには写真と曲目紹介があるだけで、対訳その他は省略されている。どちらも一長一短あるので、どれを選択するかは鑑賞する方のコンセプト次第ということになるだろう。
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