バッハ:インヴェンションとシンフォニア/イギリス組曲第1番
>> 芸術作品としてのインべンション
ギシギシいうイス、変な音を立てるピアノアクション、知らない人が夜中に聴いたらトイレに行けなくなる鼻歌・・・
語り尽くされていますが、名盤です。
インベンションがただの練習曲ではないことを、世界に知らしめた演奏です。
特に三声は平均律にも劣らない傑作ぞろいです。
二声は、形式上の制限から、さすがのバッハでもそれほど傑作ばかりとはいえないので、平均律の「前奏曲とフーガ」のように、同番号の二声と三声を一組に並べ、独特の順番にしたグールドの判断は良いと思います。
(インヴェンションとシンフォニアの評価が低いのは、曲順のせいも大きいと思います)
シンフォニア9番が最終曲なのは、さすがです。
武久源造 氏曰く、「マタイ受難曲のどのアリアにも引けを取らない」大傑作です。
ピアノを学習する上ではあまり参考になりませんが、必聴の名盤です。
こちらの新盤にはインヴェンションとシンフォニア全曲に加え、イギリス組曲1番が入り、しかも安価になっているのでお買い得です。
同じ盤の輸入盤 はさらに安いです。
ちなみに、決して子供向けの易しい曲などではありません。三声シンフォニアの中には、平均律の平易なフーガより難しい曲がいくつもあります。
>> 子供たちに夢を!
ピアノを幼少期に習ったことがあるなら誰しも一度は
弾いたことがあるだろうバッハの“インヴェンションとシンフォニア”
グールドの手にかかれば、小さな子供たちにとっての単なる練習曲も、
新鮮な切り口によるフレーズの数々によって、
ここまで色鮮やかな曲に変わってしまうのかと驚きの連続です。
当時31歳だったグールドの指さばきは実に軽やかで、
冒頭からハンマーがやや粗に調律されたピアノであることも忘れさせてくれます。
※しかしいったい何故、彼はこのような調律を敢えて好んだのでしょうか??
決して“教科書的”な演奏ではないのですが、大人になった今聴きかえしてみると、
なんて夢のある若々しい演奏なんだろうと、自らも再び鍵盤に向かいたくなってしまいます。
これぞグールドの真骨頂とも言えるアルバムでしょう。
>> グールドのバッハの清新なきらめきに魅了される一枚
ひとりの天才が現れて、それまでにない個性的な演奏で、全く新しい音楽を聴かせてくれる喜び。グレン・グールドが弾くバッハには、その驚きと喜びがいっぱいにあふれていて、はっとする音楽のきらめきが素敵で魅了されます。
グールドが演奏会からドロップアウトするのが、1964年の4月。その一カ月前にニューヨークで録音された「インヴェンションとシンフォニア BWV772〜801」の演奏も、そう。バッハの生き生きとして美しい音楽の精髄にすっぱりと迫り、そこにこめられた深い心理を見せてくれた演奏の素晴らしいこと。歯切れのよいフレージング。一陣の風が吹き抜けたかのような、溌剌とした清々しさ。いいですねぇ、グールドのバッハは。
また、1973年の3月と11月、カナダのトロントで録音されたのが、カップリングの「イギリス組曲第1番 イ長調 BWV806」。プレリュードにはじまり、アルマンド、クーラントにドゥーブル(変奏)、サラバンド、ブーレー、そしてジーグと続く音楽の随所に優雅なきらめきを感じて、心が弾みました。
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